MENU
AIイラストに負けない拠り所「もえかき」で執筆したい方はこちら

線画が苦手な方必見!:線画を綺麗に描くコツを徹底解説!

線画が苦手な人は次のような悩みを抱えていませんか?

「絵にメリハリがない」
「線の強弱をつける場所がわからない」
「全体的にのっぺりした印象で見栄えが悪い」

結論から言えば、線画を描くコツをマスターすれば悩みは解消されます。線の太さを変えたり、あえて線の途中を消したりすると、光と影をうまく使い分けられるので立体感が出ます。

この記事では、線画をきれいに描くコツを解説します。また、この記事を読めば、線画をきれいに描く方法やイラストソフトにあるレイヤー機能を使った描き方など、線画を描くコツがわかります。ぜひ参考にして苦手意識を克服してください。

目次

線に強弱をつける

線画を描くことが苦手な人は、絵にメリハリがなく、全体的にのっぺりとした印象を受けます。原因は、線を同じ太さや濃さで描いていることです。そこで線に強弱をつける方法や線の強弱をつける箇所をわかりやすく解説します。

線を太く描く箇所

線を太く描く箇所は次の部分です。

  • 全体のアウトライン
  • 物に遮られて陰になる箇所(帽子、メガネなど)
  • 光が当たって影になる箇所(服のシワ、脇の下など)

キャラクターの外側や物の陰、光に当ってできる影の部分を太く描くと、デフォルメした印象を与えます。また、髪や衣服のシワなどの根元を太く描くだけで立体感が出ます。

線を細く描く箇所

線を細く描く箇所は次の部分です。

  • 光が直に当たる箇所(髪の毛、手足の関節、衣服のシワなど)

光が直に当たる箇所を細く描くことで、太い線(影になる部分)と対照的な演出ができるので立体感が生まれます。

線画をきれいに描くにはベクターレイヤーを使おう

CLIP STUDIO PAINTにあるレイヤー機能は「ラスターレイヤー」と「ベクターレイヤー」の2種類を使い分けられます。

レイヤーとは、透明なシートを何枚も重ねたイメージです。

例えば、1枚目に線画、2枚目に色付け、3枚目に背景を別々に描き、3枚を重ねると色付けや背景まで描かれた一枚の絵になっている感じです。

2つの違いは次のように覚えましょう。

  • ラスターレイヤー:通常のお絵描き
  • ベクターレイヤー:線画や図形を描くとき

それでは2つを詳しく解説します。

ラスターレイヤーとは?

ラスターレイヤーは、絵を描くために必要な機能がほとんど備わっており、線画、色付け、フィルター、色調調整などの加工が行えます。

ただし、画像の拡大縮小をすると、ジャギー(線のギザギザ)が発生して画像が荒れるので、変形などの操作時には注意が必要です。

ベクターレイヤーとは?

ベクターレイヤーは、線画をデータとして扱える機能であり、CLIP STUDIO PEINTにしかない機能です。

ベクターレイヤーの大きな特徴は、線画の線上に「制御点」と呼ばれる無数の点が表示され、制御点を移動するだけで線画の形や歪んだ線などをきれいに調整できることです。

ベクターレイヤーのメリット・デメリットを解説します。

メリットデメリット
修正が簡単
位置の微調整が容易
歪んだ線もきれいに修正できる
拡大縮小してもジャギーが発生しないので自然な仕上がりになる
線の太さ調整ができる
デコレーションペンも使える
複雑な線画になると「制御点」が増えて点が重なる
繊細な色味は表現できない
線画を描いたまま色付けやトーンを貼り付けると処理が重い

線画を描いたまま色付けなどを行い、処理が重い場合には「ラスタライズ」機能を使うことで解消できます。

ラスタライズとは、「ベクトル画像(点と線を数値化したもの)」を「ビットマップ画像(点【ピクセル】の集まり)」に変換する機能です。ビットマップ機能に変換することでデータが軽くなる特徴があります。

ベクター用消しゴムを使う

ベクターレイヤーには「消しゴム」機能があり、実際の消しゴムと似た感覚で使えます。

消しゴムは次のことが行えます。

  • 消しゴムが触れた箇所だけを消せる
  • 線が交わる箇所まで自動的で消せる
  • 線全体を消せる

消しゴムを使うと、線の途中や線全体などの消去が自由にできます。そのため、光が当たっている髪の毛の線を途中で消すことや、はみ出した線のように部分的な修正に便利です。

線修正ツールを使う

CLIP STUDIO PAINTの「線修正ツール」には「線幅修正」機能があり、描いた線の太さを調整する際に便利です。

使い方は簡単で、各機能にチェックを入れて描いた線をなぞるだけで好みの太さに調整できます。

  • 「指定幅を太らせる」:線が太くなる
  • 「指定幅で細らせる」:線が細くなる
  • 「線全体に処理」:線全体の太さが変わる

線修正ツールを使えば、面倒な線の太さ調整や修正が簡単にできるので、作業効率も向上します。

また、レイヤーは工程ごとの修正が簡単に行える便利な機能です。使い方をマスターして作業効率の改善に活用しましょう。

線画をきれいに描く方法

線画をきれいに描く方法をご紹介します。

線が引きやすい方向に「左右反転」機能を使う

ナビゲーターパレットの中にある「左右反転」機能を使うと、線を引きやすい向きに絵を変更できます。向きを変更する理由は、線を引く場合に無理な角度や方向から描くと線が歪んだり、思い通りの線を描けなかったりするからです。

ナビゲーターパレットの「左右反転」をクリックすると、キャンバスが左右反転して表示されます。描きにくいときは、左右反転機能を使って描きやすい角度や方向に調整しましょう。

遠いものは細く、近いものは太く

遠いものは細く、近いものほど太い線で描くと立体感が出ます。

例えば、突き出した手を描く場合、指やこぶしは太い線で描き、手首から肩にかけて徐々に細い線で描くと線画だけでも立体感が生まれます。

また、「目立たせたいもの=太い線」を意識して描くと全体的にメリハリがつき、塗りに頼らなくても立体的な絵を描けます。

手ぶれ補正を活用

線のストロークがガタガタして見栄えが良くないときには、「手ぶれ補正」機能を活用して滑らかな線に修正しましょう。

手ぶれ補正とは、描く際に手ぶれによって線が揺れた場合に、自動的に揺れを軽減してくれる機能です。

手振れ補正機能の数値を調整すると、次の表現ができます。

  • 数値が高い:滑らかな表現
  • 数値が低い:描いたままの味わいを表現

ただし、数値を上げ過ぎるとソフトの動作が重くなるので注意してください。

また、好みの補正が見つからないときには、ペイントソフトやアプリ、機材などを変更してみると見つける幅が広がりますよ。

キャンバスを回転させる

アナログで描きにくいときは、無意識に紙の向きを描きやすい方向に変えていますよね。

デジタルも同じで、キャンバスを好きな向きに変えて描けます。

同じ向きで描いていると、どうしても描きにくい方向や角度があります。描きにくい場合には、タブレットやスマホなどの機器の上下に捉われず、描きやすい方向に変えて描きましょう。

短い線を重ねて長い線を引く

長い線を1ストロークで描こうとすれば、線が歪んだり、線の太さが一定にならなかったりします。そんなときは、無理に1回で描こうとせず、短い線を重ねて長い線を引きましょう。

短い線を重ねて描いたあとに、乱れて汚い線や不要な線は消しゴムツールで消すことも可能です。

また、下書きできれいに描けたときには、下書きを複製して使用する方法もありますよ。

瞳は細く描く

瞳を描くときには細いブラシを使い、瞳の縁を細く描くことで潤っているように演出できます。

ペンタブに紙をのせる

デジタルで描くときに、ペン先が引っかかっているような違和感を感じるときは、ペンタブに紙をのせて描いてみましょう。

アナログで描きなれている人は、ペンタブに紙をのせた方が描きやすく感じるかもしれません。

ただし、紙との摩擦によりペン先が摩耗しやすいので気をつけてください。

ラフの時点で完成形を意識できるようにしておく

ラフの時点である程度細かく描いておくと、迷わず線画を描けるので作業効率が向上します。よって、ラフはただの下書きと捉えず、完成形を意識して描くようにしましょう。

例えば、髪の毛や髪留め、衣服のシワ、手足の関節、装飾品の細かな形状など、ディテールにもこだわって描くと線画を描くときに迷いなく描けます。

線は思い切りよくワンストロークで引く

髪の毛のように長い1本線で描きたいときには、1ストロークでシュッと引くと良いです。

1ストロークで線を引くときには、ためらいや迷いがあるとうまく引けないので、思い切りが必要です。

また、線をつなげることもアリですが、線の乱れや不要な箇所は消しゴムツールで消すことも可能です。しかし、消しゴムで消すと、消し残りや線の継ぎ目ができるので、見た目にもきれいとは言いがたいし、納得できないでしょう。

まずは、短い瞳の線から始めて、慣れてきたら長い髪の毛にチャレンジする方法がおすすめです。

「長い線を一発で引いてやる!」と意気込むと手に力が入って失敗するので、軽い気持ちで描くと意外とうまく描けますよ。

髪の毛は交差させてから後で消しゴムで消す

髪の毛は交差させて描き、あとから消しゴムで消すときれいに仕上がります。なぜなら、ラフ画と同じ長さで描こうとすれば、きれいな長い髪の毛を再現できないからです。

線の長さが決まっていると、線の終点で止めようとして手に力が入り、ラフ画と同じようには描けません。

そのため、ラフ画と同じように軽い気持ちでシュッと線を引くことが大切です。このときに線の長さや交差は気にせず勢いよく線を描きます。

線を引き終わったら、消しゴムで不要な線を消せば仕上がりもきれいです。

光が当たる箇所は細く、影の部分は太く描く

光が当たる箇所は、光を反射して白っぽく見えるので細い線で描き、影になる部分は黒く見えるので太い線で描きます。

光源に近いほど細く、影になるほど太く描くことでメリハリができて立体感が生まれます。

また、光源に一番近い場所はあえて線を途切れさせ、逆に、影になる部分は線が途切れないように太い線で描くことで光の当たり具合を巧に表現できます。

影のスキマ部分を墨だまりで線を太くする

アナログのつけペンで線を重ねるように描くと、重なった場所にインクが溜まって墨だまりができます。デジタルでも同じことが起こるので、アナログのような表現が可能です。

墨だまりを使って影のスキマ部分の線を太くするのは、次のような箇所です。

  • 影が特に濃くなる部分
  • 衣服の内側
  • 落ち影(物体に遮られてできる影)の特に濃くなる部分

墨だまりを使って描くと、よりメリハリができて立体感が増します。

髪の分け目の線を太くする

髪の分け目の線を太くすると簡単に立体感を出せます。なぜなら、髪の分け目は、光を遮断しておでこに影ができるからです。

そのため、髪の分け目を太い線で描けば、髪とおでこの間にスキマがあるような演出ができて立体感が生まれます

また、髪が何層にも重なっている場合も同じように描くことで影を演出できます。

長い線の中央は光が当たっていることが多いので線を細くする

長い髪をイメージすると中央付近が一番膨らんでいます。「膨らんでいる=光源に一番近い」ため、光に当たる箇所は細い線で描きます

髪の中央を細い線で描くことで、以下のように印象を操作することも可能です。

  • 髪がサラサラして軽く感じる
  • 性格が明るく元気な感じに見える

髪の毛や長い糸などを演出するときにも、中央は細い線で描き、手前に近づくほど太い線を描くと1本の線にメリハリが出て見栄えが良いです。

りんかくの顎と髪の毛が触れる箇所を墨だまりで太くする

りんかくの顎と髪の毛が触れる箇所を墨だまりで太くすると立体感が出ます。理由は、髪と顎が触れる奥側には首があるからです。

墨だまりを使うことで髪と顎に影を作り、奥側に首があることをイメージさせる効果があります。

まとめ:

今回は、線画を綺麗に描くコツを徹底解説しました。

  • 太い線と細い線をうまく使い分ければ立体感が生まれる
  • 太い線と細い線は使う場所が決まっている
  • 線画を描くならベクターレイヤーを使えばよい
  • 線画をきれいに描くには、ペンタブやスマホなどの機能を理解することも大切
  • うまく描くコツは、近くが一番太い線で遠くになるほど細い線
  • 目立たせたいものは太い線で描く
  • 光に一番近い部分は線が途切れてもよい
  • 影は墨だまりや太い線で描く
  • 光が届かない影ほど黒くする

今回の記事を実践して線画を描くコツをつかめば、線画が苦手な人でも上達できます。一度に全部を実践するのは無理かもしれません。しかし、何度もこのページを読み返して、繰り返し練習することで確実に上達します。

線画は苦手で無理だと諦めている人は、できることから実践して「前より上手くなったね!」と言われるように頑張りましょう!

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

webeat-illustを運営している片山と言います。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次